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商品・技術の質と商売の成功は、別なのか?

  • 執筆者の写真: 伊丹恵美
    伊丹恵美
  • 4月23日
  • 読了時間: 2分

更新日:4月25日

珈琲豆を挽いて飲む美味しさを知ったのは、7年前の春。
近所の珈琲豆店で買った珈琲豆が美味しく、それから毎朝の日課になりました。
それが先日。 ある地方のお店で買った浅煎りの豆の酸っぱさに耐え兼ね、この酸味を緩和できないものか?と、近所の店主に相談したところ「どれくらい酸っぱいの?」と聞かれ 「豆乳が分離するんです、このお店の浅煎りは分離しないですよねぇ」  と伝えると、間髪入れずに店主が言う。
「そりゃぁウチは、コレで飯食ってるんだから、一緒にしないでくれ」

そして、珈琲豆屋でビルは建たない、とか、有名ロースターカフェの話をひとしきり説明してくれた最後に、

「商品・技術の質と、商売の成功は違うんですよ。ロースターとしての腕を磨く事と、商売を大きくする才能は、別だと思うんだよね。その豆もそういう事なんじゃないかなぁ。もちろん、味の好みもあるとは思うけど。」


この日の店主の言葉は、とても響きました。
私は、化粧品などの女性向け商品・サービスを行う企業のお手伝いをしていますが、その理由は20代の頃、会社が参入した化粧品事業が商品は品質もよく画期的だったものの、会社には化粧品業界の知見が無く、事業が失敗に終わったことにあります。 その経験があまりに無念で、化粧品業界で経験を積み、あの時の自分のような人の手助けになることができればと思い、フリーランスでコンサルタント業をしています。

しかし、化粧品の案件でお声がけ頂く中には「化粧品って儲かるんでしょ」と、大手ブランドの真似をした雰囲気を作り、SNSで映えてバズって当てたいというお話も少なくなく、 そのような話の本音は、化粧品を使用する人に興味が無いので、お声がけいただきながらも、仕事はご一緒できません。

私が業界の経験を積ませて頂いた会社は、商品の品質や効果、顧客体験の提供を真剣に考え、顧客を想像しながら、知ってもらい使い続けてもらう努力を怠りませんでした。
「商売の成功」という概念や規模は、人により目指すものは違うと思います。 ですが、いま強く支持されている大手化粧品ブランドも、最初は一人のこだわりから始まった商品・サービスであり、始まりは小さな企業。それが様々な努力によって現在も沢山のファンに支持され、商売が大きくなり・大手ブランドとなっています。 「商品の質や技術=商売の成功」 この日の店主の言葉に改めて、そういうお手伝いが出来るように、私もこだわりを大切にしようと思った次第です。
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