売れない理由が「スタッフのヤル気」という、渋谷の百貨店に出店していた店舗の立て直しで、シフト改善の次に取り組んだこと 2.時間効率の管理による機会均等化 シフトが上手く機能していない店舗は、だいたい一日のスケジュール管理も散漫なことが多い。
たとえば、休憩に入るタイミング。
「無駄話が長かった」「作業に没頭してしまった」という、周りに気を使えていない理由が大半で「接客が長くなり遅れた」という正当な理由は、少ない。
販売職は立ち仕事のため、休憩は一日2回、昼と夕方に入る。
昼45分~1時間、夕方15分~30分など、勤務規定は企業によって様々。早番が退勤するまでに、全員の休憩を終えるためには、まずは昼休憩を、早番が11時半に入り、遅番は15時半には終えて欲しい。
3~4名勤務する店舗では、早番が昼休憩に入るミングが遅れれば、遅番の昼休憩は17時前後になってしまう。すると、遅番の休憩戻りが遅れ、早番が残業になり人件費が嵩んだり、夕方混雑する店舗では人員不足となる。(早番の残業が過剰な店舗も、シフトに問題があることが多い)
人は誰もが休みを楽しみに働く。
自分の休憩時間が誰かの怠慢によって、遅れるまたは、休憩に入れなかったとなれば恨みつらみが募り、結果、人間関係も確実に悪化する。
食べ物の恨みが怖いように、休憩の恨みも怖い。
私は、その時が忙しくとも〝休憩が回っている″ と全員が意識するよう、11時半には必ず早番を一人、休憩に入れた。すると、次の休憩に入る人を周りも気にかける。次が行けなければその次も滞る、自分が休憩に入れない可能性は全員にあるのだ。
次の人が接客中であれば、手の空いてる、その次を先に入れる。 そうやって全員が「休憩の権利」を享受できるよう全員で気遣う習慣をつけたが、当初は「忙しくなったら、人が足りないのでは?」という懸念の声もあった。
しかし、忙しさは人を鍛錬する。
販売職は、接客の機会がなければ仕事が無いに等しい。 スタッフが複数いる場面で忙しい時間を過ごすことは、協力して接客する機会が増えるため、暇な時間を長々過ごすより数百倍、人が育つ。人が育てば、売上も上がるのだ。
忙しさを乗り越える経験を繰り返すことで、やり甲斐を生み、自信にも繋がる。逆に、暇な店舗は接客機会が少ないため、人が育たない。
また、店舗全体で時間管理が出来るようになれば「〇時までに〇〇を終わらせないと、休憩が回らない」と、それぞれのスタッフが個々に担当する作業も逆算して、チームワークに気が回るようにもなる。
若いスタッフにも早く戦力となってもらうためには、休憩を含む時間効率に意識を向け、接客する機会を均等に与えて、業務に集中させることが近道なのです。
【販売職の採用について】
店舗販売職の年齢構成は幅広いですが、新規採用は概ね20代~30代前半です。
《新規参入ブランドの場合》
知名度が低いことから求人に人が集まりずらく、社会人経験やスキル不足の採用が否めません。
商業施設に出店するような店舗販売はブランド事業であることから、他社の経験よりも、いかに早く自社の経験を積んでもらい、自社ブランドに染められるかが、カギとなります。
特に経験者採用は、同じ販売職でも出来上がったブランドと、これから創り上げるブランドでは業務の幅が異なることから、メガブランドでの経験を誇る人ほど続かない事が多いため、業界他社経験より、ポテンシャルを見出すことをお勧めします。
次回は3.店舗管理作業の均等分担について
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